翼をください。盗聴観劇感想 書き殴り編

東京公演の千秋楽、お疲れ様でした。

盗聴という舞台は考えさせられることが多かったなぁ…

榎木田さんを弔ってきたよ。

ネタバレあります。注意。

 

 

 

 

冒頭はすごいちゃんとコメディー。歌も歌ってくれるし、アクションもある。
榎木田さんの一つ一つの動きが面白くて。榎木田さんはまっすぐでいつも人のためにって動ける人。助けたいって気持ちも本物で、そのためには多少自分を犠牲にできる人。
お尻がぷりちぃでした。一列目で見た時はひたすらお尻を突き出されてたよ。
あと、ヨギボーにばふってするの可愛すぎてほんとに禿げるかと思った。チラッてみるのもすき。

ゆうきくん、ななちゃんもすごい可愛くて、榎木田さんを慕って、個性的にいいキャラしてる。

渋谷くんがいいかませ犬してて、絶対怪しいってわかって進むから犯人わかってるけど?って思うのに最後にひっくり返されるんだよなぁ。渋谷くんの演技があるからここまでうわぁってなるんだと思う。

性善説、誰しも信じられる人がいるはず。
嘘をついたらバレた時にはその分責任を取らないといけない。

全てが衝撃のラストにつながるわけなんだけど。

なにがすごいって伏線張り巡らされてるんだけど、その一つのはまだくんの表情。ほんとに、1回目では気付けないけど、うわ、その顔、知ってるじゃん…ってなったり、初めて熊切さんにあった時も見惚れてるって思ったのに、2回目みると複雑そうな表情しててうわぁ、やられた…ってほんとに思った。普通に真実を語る時の声のトーンがそこまでのきゃぴきゃぴと全然違って、低い声も使ってて…
役者濵田崇裕ってほんとにすごい。

榎木田歩について考えれば考えるほどわからなくて。

 

 

ここからは考察でしかないんだけど、

お姉ちゃんを殺された、同じような人を増やさないため、その人を救うためにこの仕事をはじめたのに、それを馬鹿にされてカッと来て人を殺めたのかな…PTSD的なことだとしたら、ノイローゼのお母さんにいろいろ言われてたのかな…とか。

しかも、殺し方、死に方もおねえちゃん、お母さんと一緒で。奇しくも同じになったのか、自分もその思いを重ねて同じ死に方にしたのか…

 


あと、榎木田さん、盗聴されてたこと、本当に知らなかったのかな…
だって、実際あの部屋入って盗聴受信機つかってたし!ぴって止めてたし。100メートルならバレても良いはずだから…

 

まぁ、痕跡消してたけど、気づいて欲しかったのかな、止めて欲しかったのかな…とか思うと、苦しくて。

それでバレてしまったから、罪を重ねてしまったから、自分から命を断つことになったのかなって…


最終日の榎木田さんは死ぬことに躊躇してた。
ちゃんと死ぬことを決めて加速してたけど、心の中で死にたくないんだな、つらいんだなって伝わってきて。なんでこうなっちゃったんだろう、なにかできなかったのかって、見てる私たちが考えさせられた。
濵田くんの表現によって違う、わたしたちの捉え方によっても違うけど、泣きながらそれでも死を選ぶということに、胸が苦しかった。
翼が、ほしい。これはあとで考察しよ…

自分を信じられなくなるってそれだけでとても辛いから。榎木田さんにとって、助けになる人が、助けてくれる人がいたら、なにか変わったのかなって思ってしまって…止めてあげられる人がいれば…孤独な人たちをたくさん助けてた榎木田さんを助けてくれる、榎木田さんが信じられる人がいなかったってことなのかな…これは彼にしかわかんないな…

サイコパスって表現をしてる人が多いけど、わたしはサイコパスでもなんでもなくてただ一人の普通の人なんじゃないかなと、すごく思う。
隠して、普通にみんなと接してるからたしかにちょっと狂気的なところはあるかもしれないけど。

最近の世の中、情報社会で、みんながいろんなことを知らないといけない、知りたいと思いすぎてるってことにフォーカスされてる舞台だなと思いました。
人を信じることも大事だし、信じるに値する人間は絶対にいる。
そして、ウソをつくことを知らなければウソじゃない、しあわせってこともあって(浮気は普通にする方が悪いけどな)、全部を知ることだけが幸せではないって、考えさせられた気がします。
普通の人でも、そうやって、人を殺めたくなったりすることもあるんだと、思うな…

最後の死亡のアナウンスがずっと心の中で響く。
榎木田歩にはもう2度と会えないことを知らせているから。

 

性善説を信じる私としては、

濵田崇裕は一生信じるに値する人間だと思います。